日本産和牛とは(一部、農林水産省ホームページより引用)

やわらかな肉質。ジューシーな舌触り。旨みをギュッと凝縮した、繊細で芳醇な味わい。日本産和牛の美味しさの特徴は、旨みのもとである良質なアミノ酸と不飽和脂肪酸が多いことで生まれるやわらかな食感と、日本産和牛が持つ本来の香りにあります。食感を左右する「サシ」と呼ばれるその脂は、日本においては、その入り方でランク付けされるほど、美味しさの象徴とされ、重宝されています。脂といっても、まったくしつこさのない、舌の上でとろける上質な味わいは、飼料から厳選し、清らかな水、澄んだ空気、緑豊かな大自然に囲まれて、のびのびと育てられた牛だけに与えられる、いわば勲章のようなもの。ひとくち食べれば、その美味しさの価値観に、気づいていただけることでしょう。黒毛和牛の「うまみ」、それは、味、和牛を口に入れたときの食感、そのあとに残る匂いだと言われます。

黒毛和牛肉にはアミノ酸類(グルタミン酸を含む)が含まれ、肉汁にはイノシン酸類が含まれます。それにより「うまみ」を感じるとされ、匂いとしては風味成分(香気成分)と言われるオレイン酸が多く含まれるため、香り高くなります。また、脂質であるリノレン酸も風味を出し、均一の「サシ(霜降り)」が入ることにより、より軟らかい食感となります。これらにより、黒毛和牛は、他の種の牛肉とは違った独特の美味しさを醸するのです。

黒毛和牛A5とは?

肉専用種の牛は4種類に分類されています。黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無短角種の4つです。その中でも最も多いのが黒毛和種になります。黒毛和牛肉のみではありませんが、肉は様々な基準で等級がつけられます。その中でA5等級は一番品質の良い等級です。肉の等級を決める基準は、「歩留まり等級」と「肉質等級」です。
A5等級のAは歩留まり等級で、5は肉質等級です。さらに、肉質等級はそれを決める基準があり、脂肪交雑、肉の光沢、肉の締まり及びきめ、脂肪の色沢と質の四種類があります。簡単にですが、これらの基準をご説明します。

【歩留まり等級】
歩留まり等級とは、簡単に言うと、ある決められた部位の中から、どれだけ良い肉取れるかの基準です。 歩留まり等級は上からA、B、Cの3段階があります。
A:標準より良い
B:標準
C:標準より悪い

【脂肪交雑】
霜降り(肉の間にどれだけ脂が入っているか)の良さです。いわゆるサシの良さです。脂肪交雑は1~5までの5段階があります。(ここから以下の基準は全て「5」が最高品質で数字が減るごとにランクは下がります)その後段階の中でもサシの入り方でNo.1~No.12までランク付けされます。
5:No.8~No.12
4:No.5~No.7
3:No.3~No.4
2:No.2
1:No.1

【肉の光沢】
肉眼で判定される、肉の色や光沢です。
5:かなり良いもの
4:やや良いもの
3:標準のもの
2:標準に準ずるもの
1:劣る物

【肉の締まり及びきめ】
こちらも肉眼で判定します。肉の締まり具合と、きめ細かさです。
5:締まり具合がかなり良く、かなりきめ細かいもの
4:締まり具合がやや良く、ややきめ細かいもの
3:標準のもの
2:標準に準ずるもの
1:締まり具合が劣るり、きめか粗いもの

【脂肪の色沢と質】
脂肪の色、光沢と質によって決まる等級です。脂肪の色は、牛脂肪色基準に沿って判定され、光沢と質は肉眼で判定されます。
5:かなり良いもの
4:やや良いもの
3:標準のもの
2:標準に準ずるもの
1:劣る物

以上の歩留まり等級と肉質等級の基準にしたがって肉の等級が決まるのですが、肉質等級は項目が複数あります。肉質等級は4項目を並べた際の、一番低い等級で決定されます。つまり、脂肪交雑、肉の光沢、肉の締まり及びきめが最高の5番をマークしても、脂肪の色沢と質だけ4番と判定された場合は、肉質等級4というシビアな判定です。黒毛和牛の等級といっても、C1~A5まで15の等級があり、更にA5等級の中でもサシの入り方でNo.8~No.12と厳しくランク付けされています。

A5等級の黒毛和牛は、良質の穀物(とうもろこしや稲わら)のみを飼料として与えられ、大切に肥育されています。脂肪と赤身のバランスが特に優れ、口に入れた瞬間に溶けるような柔らかさや、口全体に広がる肉汁の甘い「うまみ」があるのが特徴です。

あか毛和牛の3つの特徴

特徴1 自然

生まれたばかりの子牛は、母乳をたくさん飲み、免疫力の強い牛になります。大自然のなかで、母牛とともに放牧されたあか毛和牛は、草食動物の牛に適した牧草や野草など国産粗飼料をたくさん食べて育ちました。あか毛和牛の赤ちゃんは、生まれるとすぐに牧草地に放牧され、 母乳で育てられます。そのため免疫力の強い牛に育ちます。そして大自然の中で、思う存分運動し、時には母牛とともに放牧されるため、ストレスなく成長して いきます。さらに離乳後には、牧草や野草など草食動物である牛に適した、安全な国産の粗飼料がたくさん与えられ、健康な牛に育っていきます。

特徴2 ジューシー

赤身が多く、適度な霜降り。和牛ならではのやわらかさ。赤身にはうま味成分が豊富に含まれ、牛肉本来の味と香りが楽しめます。このうま味豊かな赤身の肉汁が、ジューシーなおいしさを生み出します。あか毛和牛の肉質の魅力は、余分な脂肪がない適度な霜降りと、 うま味成分を豊富に含む赤身が多いことにあります。あか毛和牛は脂肪分が少ない適度な霜降りが特徴で、和牛ならではのやわらかさを持ち合わせています。そ して赤身にはグルタミン酸やイノシン酸に代表されるうま味成分が豊富に含まれています。このうま味豊かな赤身の肉汁が、あか毛和牛のジューシーなおいしさ を生み出します。

特徴3 ヘルシー

余分な脂肪を含まず、ヘルシー。さまざまな料理でおいしくいただけます。また、あか毛和牛に含まれる多様な機能性成分は、健康に育った証しです。健康に育った牛だからこそ、「ヘルシーでおいしい」牛肉を実現できたのです。あか毛和牛のもうひとつの魅力が、余分な脂肪を含まないことで す。そのため、焼き物、煮物など、さまざまな調理法に広く適しています。余分な脂肪がないことに加えて、牛が自分の健康を守るために、自ら生合成した多様 な機能性成分が含まれていることが、健康に育った証しです。このように健康に育ったあか牛和牛だからこそ、「ヘルシーでおいしい」牛肉を実現できたのです。

シャトーブリアンステーキ(Chateaubriand steak、またはシャトーブリアン)とは牛のヒレ肉(テンダーロイン)の中で中央部の最も太い部分のこと(1頭からとれるヒレ肉およそ4kgから600グラム程しか取れない)、およびそれを使ったステーキである。

19世紀初頭のフランスの政治家フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンが料理人に命じて作らせたことから、このように呼ばれるようになった。そのおいしさから、シャトーブリアンばかりを食べたという。

最高級のフィレ肉(テンダーロイン)からさらに中心部をチョイスしたもののみをシャトーブリアンといい、脂肪が少なく、肉質に優れた最高級のステーキである。

シャトーブリアンとは何か。

牛肉を語る上で欠かせないのは、シャトーブリアンという部位です。通常、私たちが高級肉だと認識している肉の部位、特に霜降りなどがある部位はサーロインや肩ロースなどであります。しかし、シャトーブリアンはそのような一般市場に多く流通しているような部位ではなく、とても希少性の高い部位であるとされているのです。それゆえに、シャトーブリアンは幻の部位であるとまで言われており、市場ではかなりの高価な値が付けられて流通しています。また、ただ希少価値が高いというだけではなく、シャトーブリアンは牛の肉の部位の中では最も美味であり最高級部位とまで言われている存在です。これだけの希少性と美味しさを兼ね備えた謎の多い部位であるシャトーブリアン。一体このシャトーブリアンはどのような肉なのかその秘密に迫りたいと思います。

シャトーブリアンは牛から少ししか取ることができない部位。

まず、シャトーブリアンは牛の身体のなかでどの部分の肉なのかと言えば、フィレやテンダーロインと呼ばれている部位に当たります。つまりフィレの部分は牛の大腰筋であり、股関節の内側にある筋肉なのです。このフィレの筋肉はそれほど大きな部位ではないこと、そして牛の後ろ足は二本であることから一頭の牛から2本しか取れないということが特徴的であります。ただ、フィレ肉の部位全体がシャトーブリアンと呼ばれているのではなく、そのフィレ部分のさらに肉質の良い中心部分がシャトーブリアンと言われているのです。元々フィレ肉自体が一頭の牛から少ししか取ることができないというのに、その中からさらに厳選した部位のみがシャトーブリアンとされることからも、それがかなり希少であり、牛から本当に少ししか取ることができない部位だと理解できるのではないでしょうか。

熟成肉とは

乾燥熟成肉(かんそうじゅくせいにく)とは、牛肉羊肉ジビエ(野生の鹿肉など)などの食肉を、保存しつつ熟成させて更に柔らかく美味しく食べられるようにした食品である。冷蔵庫がなかった時代に、欧州で食肉を冷涼な洞窟や地下倉庫などに吊るして保存したことが起源である。

ドライエイジド(dry aged)やドライエイジング(dry aging)とも呼ばれる。

乾燥熟成肉(かんそうじゅくせいにく)とは、牛肉羊肉ジビエ(野生の鹿肉など)などの食肉を、保存しつつ熟成させて更に柔らかく美味しく食べられるようにした食品である。冷蔵庫がなかった時代に、欧州で食肉を冷涼な洞窟や地下倉庫などに吊るして保存したことが起源である。

ドライエイジド(dry aged)やドライエイジング(dry aging)とも呼ばれる。

「熟成」と「発酵」はよく似た捉え方をされるのだが、「発酵」は外からの微生物の酵素で分解することで、「熟成」は、一定の温度を保つ冷蔵庫で肉を『寝かせる』ことであり、肉が持っている酵素によってたんぱく質が分解され、アミノ酸へと変化する。生物学的でいうところの「自己消化」が熟成なのだ。

ドライエイジング ⇔ ウェットエイジング

ドライエイジング(乾燥熟成)に対してウエットエイジング(またはバキュームエイジング)という熟成方法がある。大部分の牛肉がこの方法により熟成されるため、単純にエイジングというとウェットエイジングのことである。乾燥させずにバキュームパック(真空包装)内で熟成をさせるもので、簡単で歩留りも良いため、コストが低く一般的になっている。北米やオセアニアから輸入されるチルドビーフは、輸送・流通にかかる時間が3~5週間程度とちょうどエイジングに適しており、日本に到着して店頭にならぶ頃には熟成され食べ頃になっている。

うまみ成分のアミノ酸

熟成肉の味の特徴は 「アミノ酸」です。 人が旨いと感じるのはアミノ酸がメインだといわれていますが、熟成をすることでこのアミノ酸が増えるのが熟成をする主な理由です。

モモやランプなど赤身の少し硬い部位に熟成をかけることで肉質が柔らかくなるのも熟成をかけるメリットとなっています。

衛生面の配慮

熟成肉は衛生的に大変シビアな商品です。肉の表面をカビに覆い熟成をかけますので、衛生面の配慮がかかせません。40日が衛生面で安全をしっかり守れるラインと言われています。